1並び

今日は1月11日ということで1が3つ並ぶ日である。

ここで1月11日をテーマにした物語を一編。

「お誕生日おめでとう。」

「毎年毎年、どうもありがとう。何で私の誕生日覚えてくれてるの?」
「1月11日だからだよ。1が3つ並んでるんだから覚えやすいでしょ。
 これがもし6月23日だったら絶対覚えてないよ。」

「そっか、まぁそうだよね。ずっと前から不思議だったんだよね。
 何で私の誕生日ずっと覚えてるんだろうって」

「でもね。365日のうち1日だけ迷う日があるんだよ。何月何日か分かる?」

「えー、分かんない。いつだろう?」
「分かんないの?ヒントは区切りだよ区・切・り」

「あっ。11月1日かな?111を1と11の区切りから、11と1に分けるんだ。」

「正解。だから11月1日になると毎年手帳開くんだよね。
 それで今日じゃなくて1月11日だまだ2ヶ月も先だなって思うんだよ。」

「覚えやすいような覚えにくいような誕生日よね」

「そうかもね。」

こうして毎年1月11日が来ると、誕生日おめでとうと伝える。

たとえ誕生日が6月23日であっても忘れずに覚えていることを
伝えられる日がいつか訪れるのであろうか?

[完]