夜の動物園第二夜

夜の動物園の前に昼のお話を少々。
1時半からのシマフクロウの雛の観察に行った。
恐る恐るビデオを出して撮っていたのだが何も注意されなかったので
係員の話も上の空で無心に撮っていた。
大きさは親とほとんど変わらないが、産毛で雛だと分かる。
昼間にも関わらずサービス旺盛でクビをクネクネしたり、飛んだりしてくれた。
しかも親鳥が鳴いてくれた。夜にしか鳴かないと思っていたので驚きつつも
泣き声をテープに収めることが出来たのはラッキーであった。
「8月末までやってますのでまた見に来てください。」という係員さんの
ありがたい言葉が最後にあった。

続いて夜の話
昨日の経験を活かし三脚と懐中電灯を用意して臨んだ。
つがいの檻と個体の檻を行ったり来たりしていた。
暗くなるまでは個体の檻を中心に撮っていた。昼間はあまり動かないシマフクロウ
夜になると活発に動き出す。
つがいは暗くなるまで餌場に来ないのだが、
木の枝に止まって向かいながら鳴きあう姿を収めることが出来た。
さらに暗くなってゆっくり近付き懐中電灯を照らすとわずか1メートル先の倒れた木に
つがいが寄り添うように止まっていた。
「コタンコロカムイ」という言葉の意味を改めて思い知らされる姿であった。
丸い眼が睨みつけるように自分を見ていた。
北海道の豊かな自然を象徴するに相応しいカムイそのものである。
ただただ無心でビデオをまわし続けた。
シマフクロウは一生つがいで過ごすと言われている。
オスが「ボーッ」と鳴くとその声に答えるように「ボボッ」とメスが鳴く。
その低く太い声は一キロ先まで聞こえるとも言われる。
他のシマフクロウに「ここは私達のテリトリーですよ。」と言わんばかりの泣き声である。
写真は撮れなかったが、昨日の写真を何日間に分けてUpしていきたい。
「懐中電灯も無い。三脚も無い。」という状況の中で
あれだけの写真が撮れたというのは
自分の中では奇跡に近い出来事である。
今回のシマフクロウの写真はこれまで撮った写真の中で
ベストの写真だと自分は思っている。